28Wed062017

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世界遺産ホイアン歴史紹介

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<大航海時代を迎えたホイアン>
ダナンから車で約1時間の距離にあるホイアン(会安)は、トゥーボン(Thu Bồn 秋盆)河の河口沿いにある町です。かつて、ここはフェイホ(会庸、会舗)と呼ばれ、広南阮氏のもと、国際貿易の拠点として栄えました。

16~17世紀、アジアは大航海時代を迎えます。中南米における爆発的な銀の生産、さらに戦国時代を終えた日本の銀が市場に参入し、東南アジアの交易はかつてない活況を呈しました。当時の東アジア貿易の基軸となったのは、中国、オランダ、ポルトガル船による日本向け中国産生糸、絹織物の輸出と、日本からの銀、金の輸出です。1567年、中国の明が海禁令を解除し、中国人による南海貿易が合法化されました。しかし、日本と明の間には貿易関係がありませんでした。このため、ホイアンが中継貿易港として脚光を浴びることになったのです。さらに、鄭氏と阮氏の対立によって、南北の通商が中国、オランダ、ポルトガル船を介して行われたことも、ホイアンの発展にとってはプラスとなりました。


※ 来遠橋のベトナム語: Cầu Lai Viễn Kiều,  Cầu Nhật Bản,  Chùa Cầu


<風と潮の流れによって結ばれた日本とベトナム>

名古屋市の情妙寺には、「茶屋新六交趾国貿易渡海図」という絵図が保存されています。そこには、江戸時代の豪商であった茶屋家新六郎が、朱印状を受けて交趾(当時のベトナム中部)に渡り、領主に貢物を献上しているシーンなどが描かれています。朱印船貿易とは、幕府が発行した朱印状(朱印の押された渡航許可証)を携帯した船が、日本が外交関係を樹立した相手先国の保護を受けることができたという制度です。朱印状が出されたのは、江戸時代の1604年~1635年までのわずか32年間で、朱印船渡航先は台湾や東南アジア、そのうち三分の一がベトナム向けでした。春から冬にかけて長崎を出航した船は、北東の風に乗って中国海岸伝いに南に向かい、海南島付近から潮にのり、ベトナム中部にたどりつき、夏には季節風にのって北上し、日本へ帰ることができました。時は戦国時代が終わり平和な時代が訪れた日本、人々は豊かな暮らしを求め、絹製品や砂糖、沈香(じんこう)などをベトナムから輸入しました。特に香木の一種である沈香の最高級品・伽羅(きゃら)は、ベトナム中部の山岳地帯でしか採れない貴重なもので、徳川家康は、それ以前の権力者達同様、伽羅を熱望したといいます。そして日本からベトナムへは銅や銀などがもたらされました。銅はベトナム国内ではあまり産出せず、日本から輸入して銅貨をつくったことから、通貨の名を銅=ドンと呼ぶようになったと言われています。

朱印船貿易の舞台であったホイアンには日本町が築かれ、数百人が住んでいたと言われます。日本人が住んでいたことを示す最も有名な史跡は、ホイアンの中心部を東西に走る目貫通りの西端にある、日本人商人が資金を出し合って架けたという「来遠橋(通称日本橋)※」です。日本町が衰退したあと改築され、現在は中国風の橋になっていますが、今なお利用されています。町の中心から少し離れた水田の中には、海外渡航禁止令が出た後もホイアンに留まり、中国人の船を介して活発に交易を続けた谷弥次郎兵衛の墓があります(1647年建立)。墓は、日本の方角を向いて建てられていて、鎖国により故郷へ戻ることかなわず、外国の地で生涯を終えた商人の想いが伝わってきます。

ホイアンの北には信仰の山・五行山(Ngũ Hành Sơn)が海岸に迫り立っています。その洞窟につくられたタムタイ(Tam Thai)寺の『普陀山霊中仏』という石碑には、寺への寄進者の名として「日本営七郎兵衛」などの日本人の名が刻まれています。日本営とは日本から来て商売を営んでいた人の意味で、石碑の角屋七郎兵衛(伊勢出身)も、鎖国後もベトナムに留まり、商売に励んだ一人でした。

五行山にある観音様の仏像



<貿易港ホイアンの衰退>

17世紀末に銀の過剰流動に対する反動などによってアジアの貿易は縮小、また、1639年の日本の鎖国令により日本人の海外への往来は制限されることになり、ホイアンの日本人町は衰退、中国人勢力によって取って変わられます。更に、ベトナム国内を吹き荒れた西山(タイソン)の乱※によって、ホイアンの町は破壊され、昔日の面影はなくなってしまいました。19世紀末、川沿いの町ホイアンは、近代的な汽船の運行に適応できず、港市としての役割を終え、華僑の中心地もサイゴンに近いチョロンへと移りました。

五行山の全景

 

http://hanoirekishi.web.fc2.com より

By AKIRA HOANG

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